日影規制の規制時間と測定面の高さ ― 建築基準法 別表第四の読み方
日影規制は、建築基準法 第56条の2 と 別表第四 に定められています。この記事では、条文に書かれている内容を項目ごとに整理します。
1. どの区域に適用されるか
別表第四(い)欄に掲げる地域又は区域の全部又は一部で、地方公共団体の条例で指定する区域(対象区域)に適用されます(法第56条の2第1項)。
同じ用途地域でも、条例で指定されていなければ対象区域にはなりません。敷地が対象区域かどうかは、その地方公共団体の条例で確認します。
2. 規制を受ける建築物
別表第四(ろ)欄に定められています。
| 一 第一種・第二種低層住居専用地域、田園住居地域 | 軒の高さが7mを超える建築物、又は地階を除く階数が3以上の建築物 |
|---|---|
| 二 第一種・第二種中高層住居専用地域 | 高さが10mを超える建築物 |
| 三 第一種・第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、準工業地域 | 高さが10mを超える建築物 |
| 四 用途地域の指定のない区域 | イ:軒の高さが7mを超える建築物、又は地階を除く階数が3以上の建築物/ロ:高さが10mを超える建築物(イかロかは条例で指定) |
同一の敷地内に二以上の建築物がある場合は、これらを一の建築物とみなします(法第56条の2第2項)。
3. いつの日影を見るか
冬至日の真太陽時による午前8時から午後4時までです。北海道の区域内では、午前9時から午後3時までです(法第56条の2第1項)。
4. どの高さで測るか(測定面)
別表第四(は)欄の「平均地盤面からの高さ」の水平面で測ります。
| 区分 | 平均地盤面からの高さ |
|---|---|
| 一 | 1.5m |
| 二・三 | 4m 又は 6.5m(条例で指定) |
| 四イ | 1.5m |
| 四ロ | 4m |
平均地盤面からの高さとは、「当該建築物が周囲の地面と接する位置の平均の高さにおける水平面からの高さ」をいいます(別表第四 備考)。
5. どの範囲で、何時間までか
敷地境界線からの水平距離が5mを超える範囲で、別表第四(に)欄の時間以上日影となる部分を生じさせてはならない、と定められています。(に)欄は「10m以内の範囲」と「10mを超える範囲」に分かれていて、どの号を使うかは条例で指定されます(法第56条の2第1項)。
| 区分 | 号 | 5mを超え10m以内 | 10mを超える範囲 | 北海道の区域内(10m以内/10m超) |
|---|---|---|---|---|
| 一・二・四イ・四ロ | (一) | 3時間 | 2時間 | 2時間/1.5時間 |
| 一・二・四イ・四ロ | (二) | 4時間 | 2.5時間 | 3時間/2時間 |
| 一・二・四イ・四ロ | (三) | 5時間 | 3時間 | 4時間/2.5時間 |
| 三 | (一) | 4時間 | 2.5時間 | 3時間/2時間 |
| 三 | (二) | 5時間 | 3時間 | 4時間/2.5時間 |
測定面からは、対象区域外の部分、高層住居誘導地区内の部分、都市再生特別地区内の部分、当該建築物の敷地内の部分が除かれます(法第56条の2第1項)。
6. 敷地の条件による緩和
施行令 第135条の12第3項に定められています。
- 道路・水面・線路敷その他これらに類するものに接する場合:接する敷地境界線は、その幅の2分の1だけ外側にあるものとみなします。幅が10mを超えるときは、反対側の境界線から敷地の側に水平距離5mの線を敷地境界線とみなします(第一号)。
- 敷地の平均地盤面が、隣地等の地盤面より1m以上低い場合:敷地の平均地盤面は、高低差から1mを引いたものの2分の1だけ高い位置にあるものとみなします(第二号)。特定行政庁が規則で別に定める場合があります(同条第4項)。
7. この記事で扱っていないこと
対象区域の内外にわたる場合や、対象区域外に日影を生じさせる場合(施行令 第135条の13)、対象区域外にある高さ10mを超える建築物(法第56条の2第4項)、許可(同第1項ただし書)は、この記事では扱っていません。条文の原文をご確認ください。
地域ごとの規制値
どの号・どの測定面を使うかは、地方公共団体の条例で決まります。都道府県・市区町村ごとの一覧を、順次増やしています。
| 地方 | 都道府県 |
|---|---|
| 北海道・東北 | 北海道(準備中)、青森県(準備中)、岩手県(準備中)、宮城県(準備中)、秋田県(準備中)、山形県(準備中)、福島県(準備中) |
| 関東 | 茨城県、栃木県、群馬県(準備中)、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県 |
| 中部 | 新潟県(準備中)、富山県(準備中)、石川県(準備中)、福井県(準備中)、山梨県(準備中)、長野県(準備中)、岐阜県(準備中)、静岡県(準備中)、愛知県(準備中) |
| 近畿 | 三重県(準備中)、滋賀県(準備中)、京都府(準備中)、大阪府(準備中)、兵庫県(準備中)、奈良県(準備中)、和歌山県(準備中) |
| 中国 | 鳥取県(準備中)、島根県(準備中)、岡山県(準備中)、広島県(準備中)、山口県(準備中) |
| 四国 | 徳島県(準備中)、香川県(準備中)、愛媛県(準備中)、高知県(準備中) |
| 九州・沖縄 | 福岡県(準備中)、佐賀県(準備中)、長崎県(準備中)、熊本県(準備中)、大分県(準備中)、宮崎県(準備中)、鹿児島県(準備中)、沖縄県(準備中) |
「準備中」の都道府県は、条例本文の確認が済みしだい追加します。
出典
日影図を描いて確かめる
別表第四の区分と号を選ぶと、規制時間の等時間日影線と5m・10mのラインを描くツールを用意しています。計算と表示は無料の会員登録で使えます。
執筆:HITTADE